らじっくの板花です。
くじらってどうやって釣ってるんですか?
お話ししていると、ちょいちょい聞かれる声なのですが、
くじらは釣ってません。突いてます。
マグロやかつおなど一本釣りや、延縄のイメージで釣るという発想なのでしょうが、身体が大きすぎるのと、特定の餌だけを狙って食べるのでなく、群れごと丸呑みなので、釣り餌を仕掛けようがないということで、釣るという捕り方には発展しなかったんじゃないかと思います。
イルカでしたら食性としては一回で一匹づつ食べるので、釣れるかもしれませんが、延縄漁などではうまいこと餌だけ持って行くそうです。ほ乳類だけあって、魚よりは賢いようです。
では、突いてます、何で突いてます?銛で突いてます。
突いているといっても、江戸時代までの人が投げて突く、なんてことは近代捕鯨ではいたしません。
キャッチャー船(くじらを捕獲する船。他に何かあんのかい、ということになると思うのですが、
この辺についてはまた後ほど。)の船首に捕鯨砲なる物が設置されていて、銛を大砲のように火薬で打ち出す。
という仕組みです。この銛は長さ1mくらいで30~40kg位あります。そしてこの銛、先端にも火薬がついていて、命中とともに炸裂する仕組みになっています。
くじらをなるべく苦しめない(くじらが暴れないというのは船の安全にも関わる)、銛がしっかり刺さるようにということのようです。
引き金一つといっても、結局は人の手によって発射されるので、砲手さんの腕前はとても大事になってきます。
くじらの息継ぎで浮上するタイミングに合わせて発射するのですが、揺れる船上で、一瞬のタイミングに合わせて
狙いを定めるというのは、やはり経験値とセンスが必要になってきます。
狙いを外さないというのは勿論、命中させる場所、角度なども重要になってきます。
捕獲までの時間や製品の作れる量に関わってきます。
この砲手さん、昔から「テッポウさん」と呼ばれ、捕鯨船では花形のポジションだったようです。
もちろん現在でも、砲手は花形です(^^)
くじらは釣ってませんというのが、少しでも伝わったかな~と思います。